〜NHK BSの「ザ・ヒューマン:誇り高き悪魔 KISSジーン・シモンズ」より〜
2020年についに引退を発表し、日本でのラストツアーを行ったアメリカのハードロックバンド「KISS」。リーダーのジーン・シモンズは、70歳を超えても尚、2時間かけて顔にメイクを施し、20センチくらい高さのあるブーツと、20キロ以上の衣装を着て舞台に立ちます。
それだけでもすごいと思うのですが、彼はなんと非常に有能なビジネスパーソンでもあるそうです。KISSの関連商品を一手に手掛け、KISS以外のビジネスも幅広く展開しています。
日本滞在中に立ち寄ったフレンチレストランで、新進気鋭のシェフが腕によりをかけた料理を堪能した後、ジーン・シモンズはシェフからこんな質問を受けます。
「私もKISSのように、世界中にレストランをオープンさせて、美味しい料理を味わってもらいたいと思っている。ビジネス成功の秘訣を教えてくれませんか?」
さて、ジーン・シモンズはこの質問になんと答えたでしょう?
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「Learning English. That’s it. (英語を勉強しろ、それだけだ)」
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調べてわかったのですが、ジーン・シモンズはイスラエル人であり、8歳で父親が家を去った後、母親と一緒にアメリカに渡ってきたそうです。今でこそ数ヶ国語を話すマルチリンガルですが、渡米当時は英語は一切話せなかったそうです。
そんな背景を知ってから改めてこの言葉を聞くと、しみじみと重みを感じます。
技術の発展で、口語の翻訳も無料で瞬時に行えるようになってきました。でも、ビジネスを成功させるためには、単に英語を翻訳できさえすればいいというものではないのですよね。相手が発するものを、五感全てを使って受け止め考えること、それがビジネスとしてのコミュニケーションの第一歩なのかもしれません。