場づくり
ここでは私の「場づくり」の活動を紹介します。
私の「場づくり」への興味は、2008年から始まった大学での非常勤講師としての仕事の中から生まれました。当時は研究職を希望していたこともあり、どちらかといえば消去法で始まった大学教員としてのキャリアでしたが、講義を通じて学生と本気で向き合い、試行錯誤しながら講義を作っていくと、講義を重ねるにつれ学生の目の輝きが変わってくることに気づきました。仮説を立てて検証する、上手くいけば採用し、失敗したら原因を考え次の仮説を立てる…その繰り返しが楽しくて、いつのまにか「場づくり」が教育だけでなく、研究の中心にもなりました。
このページでは、私が学び、実践している3つの「場づくり」のツールを紹介するとともに、私の「場づくり」に関する様々な思いや試みをご紹介していけたらと思います。
ドラムサークル トレーニングビートⓇトレーナー (2020年3月〜)
私が日本のドラムサークルの(※)、というより日本のパーカッション界の草わけ的ミュージシャンである橋田”ペッカー”正人さんのリズムの魔法を初めて体験したのは、忘れもしない2018年の初夏、同僚の研究室でのことでした。ペッカーさんはお話をしながら私に小さなシェイカーを手渡し、一緒に振りながら「これは組織の中での孤独感」、「これは団結力」、「これがリーダーシップ」と、次々に概念を説明してくださいました。それ以来、時間の許す限りペッカーさんのドラムサークルに通ってさまざまなワークを経験し、そこで得たエッセンスを自らの講義にも活かしています。
※ドラムサークルは、複数の人々が打楽器を手に丸くなって座り、一緒にリズムを奏でるアクティビティです。ドラム、シェイカー、トライアングル、マラカス、タンバリンなど様々な(打)楽器を使いますが、その楽器の知識やスキル、経験は必要ありません。どんな人でもその人なりに参加できるため、コミュニケーションやストレス解消、リラックスなどの目的で活用されることがあります。また、リズム感や協調性の向上などの効果も期待されています。より詳しい説明については:https://bos1.jp/about/
ヤマハミュージックエンタテイメントHDより、リズムを用いた本を執筆しました❗経営学の権威、リーダーシップの分野で知らない人はいないと言われるあの!金井壽宏先生と、日本のパーカッションの重鎮であるペッカーさんとの共著、「元気なチームはリズムで作る〜「調子」に乗れる組織の育て方」です。授業のグループプロジェクトや職場の朝礼や会議の前にささっとできるリズムワークを沢山紹介しています。学術的な説明もしっかりつけてありますので、導入する際には是非この説明を使って上司や人事を説得してください(笑)。
LEGO®Seriousplay®Facilitator (2022年12月〜)
小さい頃から、ブロックで何か世界を作ることが大好きで、弟のおもちゃだったのに、弟よりも遊んでいた記憶があります。そんなブロックが、研修や授業など場作りのツールとして使えることがわかったのが数年前。昨年(2022年)ついに、ファシリテーターとしての研修を受けることができました。LSP(※)というメソッドの元で実施されるレゴを使ったワークでは、自分が作った「何か(作品)」について発表する時も、誰かが作った「何か(作品)」について話を聞く時も、常に作品に注目し、話し手・聞き手の目を見ることはありません(心理的安全性の醸成の一貫)。また短い時間で、「頭より先に手を動か」し、「説明は後から」の手順を繰り返す中で、手足を動かすことの大切さを痛感します。学んだメソッドと本当に活かせるか否かは、踏んだ場数に比例する…ということで、これからどんどん授業や研修に取り入れていきたいと思っています。
※Lego Serious Playの詳細な説明は、以下サイトを御覧ください:http://www.seriousplay.jp/seriousplay/
一般社団法人 ボディパーカッション教育振興会認定
初級ボディパーカッション教育指導者(取得研修受講中)
ペッカーさんの誕生日ライブで、ご自身の活動を紹介されていた山田先生と知り合いになりました。山田先生は、「全ての子供が、音楽を楽しめるように」の考えのもと、身体(ボディ)を打楽器に見立て、音楽に合わせて”演奏”するボディーパーカッションという活動を考案しました。楽器が買えない世界の子供たち、通常の楽器を演奏することが難しい障害を持った子供たちも、自分の身体を使ってリズムを取ることで、まるで音楽を奏でているような気持ちになれます。
道具がなくても簡単にできること、「間違い」「失敗」はないことがこの活動の一番素敵な要素です。講義や研修で、ドラムサークルとともに取り入れて行ければと考えています。※ボディーパーカッションについての詳細な説明は、以下のサイトを御覧ください。
ドラムサークルの記事
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